『新開鋳造部』果てなき挑戦の日々。
先月から試行錯誤している、『カププラ木』の “プラキャスト複製試験” の経過報告です。
【第三次 カププラ木・複製試験】
前回までの型ではラチが空かないようなので、半分に切った残りの型で続きをやってみました。
最早、きれいに仕上げる事ばかり考えてもいられない状況なので、幹の裏側に湯口を設ける工法に変えてみたいと思います。
…やっぱり通気口が足りないのでしょう。キャストがうまく入っていきません。
結果は…
当然この有様…。
やっぱりキーポイントは空気穴だ!
【第四次 カププラ木・複製試験】
もう、バリが増えることもお構いなしに通気口を増やしてみます。
湯口も広くして、とにかくスムーズにキャストが流れることを優先に補正してみました。
左から順に、「幹に通気口2通」「根っこに通気口2通」「通気口なしで湯口極太」「幹と根っこにそれぞれ通気口2通」という仕様になっております。
一番右の型で形成出来なければ、もうこの工法自体諦めるしかないでしょう…。
流してみた結果は…
!!
明らかに今までとはキャストの埋まり方が違います!
ちゃんとすべての通気口にキャストが入ってますね~。
もう原型を止めないくらいバリだらけですが、今までで一番カタチになっております。
一つずつ差をつけてみたつもりですが、今回はおしなべてどのブロックもキャストが良く流れ込んでいました。ちなみに、最初の画像と左右が反転してますので、通気口を4本開けた本命の型は一番左のモノになります。やっぱり一番出来が良かったようです。
バリを取ってきれいに整形しました。
試験に試験を重ね、不出来な型を改良しながら、ようやくここまで辿り着きましたっ!
これでようやく量産体制に入れる……
…ほど甘くはないか…。
試験を終えて…
今回は色々と勉強になりました。
そもそも設計の段階から間違っていたこともあって、修正にずいぶんと労力を費やしてしまいましたが、通気口の重要性や必要なキャストの量など、今後の量産に向けて良いデータが取れたのでひとまず満足です。
初めてキャストを流し込んだ時はテンパって溶液をこぼしたりしてましたが、何回もテストしたことで流し込みのイイ練習にもなりましたわ。
今後の量産に向けては、今回の試験結果を踏まえて、もっと使いやすい型を設計したいと思っています。
出来るか分からんけど…。
以上、『新開鋳造部』プラキャスト初試験の報告を終わります。